神奈川県の建設業許可 更新 書き方

目次

建設業許可の更新について

 建設業許可を取得した方なら、決算終了毎に事業年度終了届を出しているかと思います。

ですが、それとは別に建設業許可は更新許可を5年毎に受けなければなりません。

例えば、許可書に「許可の有効期間 令和2年3月20日から令和7年3月19日まで」とあれば更新申請書類の提出期限は令和7年2月20日までです。

申請期限は神奈川県知事許可なら、3ヶ月前から可能です。また、3か月前から期限の1か月前が提出期間ですが、提出期間を切ってしまっていても許可期限内なら書類は受理されます。

 仮に許可の有効期間を過ぎてしまった場合は許可は失効し、許可が必要であれば再度新規申請をしなければなりません。そして、失効前に請け負った工事は施工可能ですが、失効以後はあらたに許可が必要な工事を請け負えません。

それでは、以下建設業許可の更新申請についての神奈川県を例に具体的なご説明をいたします。

更新申請する前に

 許可事項について変更があり、変更届を出していない場合には、事前に許可の変更届が必要です。

また、更新申請では事業年度終了届(決算変更届)を提出していることが前提となっています。していない場合、事前に事業年度終了届が必要です。

変更届と決算変更届については下記ブログへ

決算変更届詳細については下記ブログへ

必要書類について

 必要書類については以下のとおり

書類備考詳細
建設業許可申請書別途コピー必要記載説明を見る
役員等の一覧表個人は不要記載説明を見る
営業所一覧表(更新)記載説明を見る
収入証紙等はり付け欄副本には不要
専任技術者一覧表記載説明を見る
誓約書記載説明を見る
令3条に規定する使用人の一覧表従たる営業所ある場合記載説明を見る
定款の写し変更あれば
財務諸表(法人用)特定建設業のみ
付属明細表資本1億超又は負債200億以上
財務諸表(個人用)特定建設業のみ
営業の沿革記載説明を見る
所属建設業者団体変更あれば記載説明を見る
健康保険等の加入状況別途コピー必要記載説明を見る
主要取引金融機関変更あれば記載説明を見る
閲覧対象外法定書類 表紙
常勤役員等証明書別途コピー必要
常勤役員等の略歴書
補佐する者の証明書
補佐する者の略歴書
許可申請者の調書
令3条使用人の調書
登記されてないことの証明書
身分証明書
株主調書変更あれば、個人は不要
営業所の確認資料
履歴事項全部証明書個人は支配人登記ある場合のみ
確認資料表紙
常勤の確認資料
補佐する者の常勤確認資料
専任技術者の常勤の確認書類
健康保険等に関する確認書類
確定申告書、決算報告の写し
役員等の氏名記入用紙記載説明を見る

用紙のダウンロードはこちら

神奈川県建設業許可申請書等ダウンロードページ

書類の綴じ方(神奈川県のHPより引用)

各書類の記載方法

建設業許可申請書

① 日付を記載し、申請者欄に住所・会社名・代表者の氏名を記載する。下の枠内には記入しない。

「許可を受けようとする建設業」はマスの上にある漢字に該当する業種で、許可取得するものに一般なら1を特定なら2を記入する。「申請時において既に許可を受けている建設業」には神奈川県で許可取得済みのものにおなじく1か2を記入。

② 「商号又は名称のフリガナ」に会社名を記入し、法人の種類(株式会社とか)は記入しない。ハイフン・記号・スペースは省略する。濁音・半濁音は1マスにまとめる。

「商号又は名称」には個人なら屋号か個人名を、法人なら登記通りに商号を記入。法人の種類は()の省略形で書き、()はそれぞれ1マス使用する。各法人の記載方法は、株式会社なら(株)・有限会社なら(有)・合資会社なら(資)・合名会社なら(名)・合同会社なら(合)・協同組合なら(同)・協業組合なら(業)・企業組合なら(企)と記入。

「代表者又は個人の氏名フリガナ」・「代表者又は個人の氏名」をそれぞれ記入。姓と名のあいだは1マス空ける。「支配人の氏名」は個人事業で支配人登記している場合のみ記入。

③ 「主たる営業所の所在地市区町村コード」に該当市区町村コードを記入し、「都道府県名」・「市区町村名」にも記入する。市区町村コードは神奈川県のホームページを参照してください。「主たる営業所の所在地」に市区町村のあとの住所項目について記入する。続けて「郵便番号」・「電話番号」・「ファックス番号」を記入。ファックスについてはなければ”なし”と記入。

④ 「法人又は個人の別」に該当する数字を入れ、「資本金額又は出資総額」に千円未満切捨てた上で右詰にて記入し、「法人番号」を記入する。法人番号は個人の場合は空欄。「兼業の有無」に該当する数字を入れる。兼業あれば「建設業以外に行っている営業の種類」に業務を記入(許可等必要なものであればその登録番号と年月日も記入)。法人番号は houjin-bangou.nta.go.jp で調べられます。

「許可換えの区分」と「旧許可番号」は許可換え新規の場合のみ記入。

最後に「連絡先」に記入。氏名と電話番号は必須。

役員等の一覧表

・役員等として記載する必要がある人は、

株式会社・有限会社なら取締役、合資会社・合名会社・合同会社なら業務執行社員、委員会設置会社なら執行役を記載。執行役員・監査役・会計参与・監事等は記載しない。

その他、相談役・顧問・取締役と同等以上の支配力を有する者があれば記載。個人に限り、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主、出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者は株主等として記載する。

・「氏名」には履歴事項全部証明書または戸籍に記載されているとおりに記載する。フリガナをカタカナで記載。

・「役名等」には履歴事項全部証明書にあるように記載し、その他は該当者がいれば相談役、顧問、株主等を記載。

・「常勤・非常勤の別」株主等であればここは記載しない。常勤なら常勤、非常勤なら非常勤と記載する。

営業所一覧表(更新)

※用紙は(更新)と記載のあるものを使用

・「主たる営業所」に名称を記入し、所在地に郵便番号と住所と電話番号を記入。従たる営業所があればその下の「従たる営業所」にも同様に記入。

・「営業しようとする建設業」には特定建設業許可なら「特定」欄へ、一般建設業許可なら「一般」欄へ該当する建設業の種類を記入。下記参照ください。

建設業の種類略号建設業の種類略号建設業の種類略号
土木一式鋼構造物工事熱絶縁工事
建築一式鉄筋工事電気通信工事
大工工事舗装工事造園工事
左官工事しゅんせつ工事しゅさく井工事
とび・土工・コンクリート工事板金工事建具工事
石工事ガラス工事水道施設工事
屋根工事塗装工事消防施設工事
電気工事防水工事清掃施設工事
管工事内装仕上工事解体工事
タイル・れんが・ブロック工事機械器具設置工事
専任技術者一覧表

まずは記入日を記入。

「営業所の名称」に営業所一覧の順番通りに名称を記載する。

「専任技術者の氏名」にフリガナ付きで専任技術者の氏名を記載。

「建設工事の種類」には、上記営業所一覧の表にある略号から、(略号の文字)ー(工事の種類)の並びで記載する。工事の種類は一般建設業で所定学科卒業+実務経験なら1を実務経験10年なら4をその他は7を記入。

「有資格区分」には該当の番号を記入する。国家資格者の場合は神奈川県のホームページ参照。

収入証紙等はり付け欄

「収入印紙等はり付け欄」には神奈川県知事許可なら神奈川県の収入証紙を貼付する。下記の更新費用の項目を参照ください。

誓約書

① 申請者以外を横線にて消す。

② 日付、主たる営業所の所在地、商号、代表者名を記載する。

令3条に規定する使用人の一覧表

日付を記入し、営業所一覧の順番通りに「営業所の名称」を記入。

「職名」に支店長や営業所長等の従たる営業所の代表者の職名を記入する。役員等を兼ねている場合は「取締役○○支店長」等と記載する。

「氏名」にはフリガナをふる。

営業の沿革

① 創業から現在までの沿革を記入。商号と事業開始、組織変更、合併・分割、資本金変更、営業休止・再開等について記入。

② 建設業許可の状況について記入。新規取得、業種追加、般特新規、廃業、失効等。

③ 賞は表彰について記載し、罰は建設業法上の処罰や欠格事由に該当していた事項の記載が必要です。虚偽記載と疑われない様に正確に書きましょう。なければ「なし」と記載。

営業の沿革

① 事業開始(建設業以外の事業も含む)から記載。登記事項等(商号、組織変更、資本金額等)に変更あれば日付を合わせて時系列順に記載し現在に至るで終える。

② 許可の状況(新規許可取得、業種追加、一部廃業等)について記載する。更新と役員変更は記載不要。

③ 賞罰について記載する。なければ、「なし」と記入。

所属建設業者団体

「団体の名称」に加入している団体の名称を記入し、「所属年月日」に加入した年月日を記入

記入対象となる団体はなんでも良い訳ではないため、申請窓口に確認を行うのが正確です。

健康保険等の加入状況

左上の(1)健康保険等の加入状況は下記のとおりです。に〇を付ける。

日付と許可情報を記入し申請者に住所、商号、代表氏名を記入。

① 「営業所の名称」に営業所一覧に記入した順番通りに記入。

② 「従業員数」上段には役員や非常勤も含めた総従業員数を記入。下段に役員数を記入。

③ 「保険の加入状況」にはそれぞれ、適用事業所であれば1を適用除外であれば2を一括適用なら3を記入。

④ 「事業所整理記号等」に健康保険なら、事業所整理記号及び事業所番号を(協会けんぽなら領収書等の事業所整理記号の数字とカタカナと5桁の事業所番号を記入し建設国保なら組合名称を記入。厚生年金保険には事業所整理記号と事業所番号を記入。雇用保険には労働保険番号を記入。支店で一括適用ならその旨を記載。

主要取引金融機関

該当する欄に主要取引金融機関を記入。支店名まで記載。

役員等の氏名記入用紙

役員一覧に記載がある人、令3条使用人、事業主、支配人、補佐する人 全員を記載し申請書に綴じ込まずに提出する。

手続き

 書類の準備が終わったら申請先へ書類提出となります。方法はオンライン・郵送・窓口があります。

神奈川県の窓口申請は 神奈川県県土整備局事業管理部建設業課横浜駐在事務所で住所は横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2かながわ県民センター4F。受付時間は月曜から金曜(祝日、年末年始を除く)の午前10時から午後3時です。申請書類の他、提示が必要な書類は許可申請書、閲覧対象外法定書類、変更届出書副本、直前の決算変更届副本。

神奈川県の郵送申請は 送付先が〒221-0835 横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2かながわ県民センター4階 建設業課 横浜駐在事務所 建設業審査担当 宛。書留又はレターパックプラス(赤)にて名称、更新申請書を記載し次の書類を送付。・申請書類一式(正・副)、・送付票(神奈川県のホームページから郵送受付用送付票から更新許可申請用を準備)、・返信用レターパック(副本返送用のものです。プラスの赤かライトの青どちらかで返送先に名称と住所を記入し、品名欄に更新申請書と記載)を送付。※受付日は到達日となるので期限ギリギリであれば窓口申請の方が安全です。

オンライン申請について詳細は神奈川県のホームページを参照ください。

 申請したらいつ完了するかですが、更新の場合はおおよそ35日(神奈川県知事許可の場合)かかります。許可更新手続き中は以前の許可で工事ができます。許可通知書は許可後に郵送されます。

 許可番号はどうなるか? 失効して再取得でなければ、許可番号自体に変更はありませんが、「般ー〇〇」の部分と許可年月日が変わってくるので許可の看板の書き換えが必要です。許可標識(通称金看板)については下記ブログを参照ください。更新の営業所確認資料写真で看板を撮影する際に、許可年月日が前回更新年月日でない場合は看板の書き直しが必要です。

許可が複数ある場合は? 業種追加等で許可が複数となっている場合は先に更新が来る許可に合わせて許可の一本化が出来便利です。遅れて期限の来る許可は先に期限の来る許可の有効期限と同一になり、以降手続きが減り費用も手間も省けます。

他の手続きと一緒のときは? 更新手続きでは、般・特新規や業種追加を同時に行う事も可能です。その際は許可期限の3月前までに申請が必要です。経過してしまった場合は別々の手続きとなります。同時に手続することで許可日が同一になります。

更新費用

神奈川県の場合は更新費用に5万円(一般と特別を同時は10万円)かかります。他に行政書士に依頼すれば数万円追加で必要となります。大臣許可も同様です。他の申請を含む場合は別途費用がかかります。

窓口、郵送申請の支払い方法は神奈川県の収入証紙にて行います。 購入は窓口申請と同一フロア内の売店(午後4時30分まで)にて販売しています。その他の取扱い場所は神奈川県の収入証紙販売所のご案内ページを参照ください。

まとめ

 建設業許可更新に限らず日ごろから許可の維持管理に気を付けなければいけない事が多々ございます。期限切れは当然として、変更事項があればすぐに届け出て許可の維持に努める必要があります。建設業許可にとって重要な人的要件については特に慎重になり、将来を見据えた管理が大切です。

 

   電話は9~20時・土日祝日もOKです。

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